公の書斎という選択
公の書斎という選択
#22 公の書斎という選択
ひょんなことから公のコミュニティースペースに私の本棚をつくることにしました。 場所は東急田園都市線二子新地駅の高架下に2014年7月にオープンした地域のコミュニティースペース「にこぷら新地」です。 「にこぷら新地」の運営はすべてボランティアの皆さんで支えられています。 ご縁からその運営主体であるNPOのお手伝いをすることになりました。 ※NPO法人DT08 http://dt08.org/nicopla/introduction/ (DT08とは田園都市線の渋谷から8番目の駅=二子新地ということです) 具体的にはコミュニティ施設の利用時に 施設に常駐し利用者への対応をする いわゆる管理人のお仕事です。 現在もボランティアの地域住民の方々が 交代でシフトを組み、平日・休日問わず、無給で奉仕しています。 施設内を見回すと、本棚がガラガラな状態でなんとなくさみしく感じました。 思わず、「私の本を寄贈します」と言ってしまいました。 いつものように勢いで言ってしまった後、 落ち着いて良く考えると本好きの私にとって、本は宝物です。 かといって要らない本を寄贈しても、 それはかえって迷惑になるはずです。 よくある寄贈図書コーナーなどには、良い本は少なく、 要らない本の寄せ集めになっているのを見かけます。 地域の方々が集まり交流できる街のホットスポットになるようにとの想いから、 そのような状態にはしたくない。
そうだ、大事な本、私が読んで良かったと思った本だけを寄贈しよう!
そう思いました。 少し前に「書斎の鍵」という本を読みました。 http://www.amazon.co.jp/dp/4774515183 そこには本を読み そこから何かを、受け取る人生 本を読んだら、そのままの人生 本を読まない人生 について語られています。 私は本を読むことで何を手に入れたいと思ってきたのか? それは自分で経験できない体験や 自分で思いもよらないストーリーに触れることで 自分の視野を広げたい。 そんな想いで本を読んできました。 でも本当にそれを自分の体験や自分の思想にするには やはり、 読むだけでなく自分で体験すること。 常に自分の体験から出発して考えること。 私が本の世界に求めているものだと気が付いたのです。 いつも手元にあるという安心感。 本の表紙を見ただけでも読んだ当時の記憶が蘇ります。 好きな本に囲まれている至福の時間。 でも、それを分かち合いたい。 そんな想いもあります。
手放す勇気とちょうど良い距離感
みんなで本の話ができ、会いたい時には好きな本に会える そんなちょうど良い加減の距離感が 私に好きな本を旅立たせることを後押ししたのです 手放すことでいやがおうにも、本への愛着が俄然として湧いてきます。 だからあえて大事な本を手放しました。 そして、一人でも多くの人と本を通じてのコミュニケーションがはかれる 場所になればと思い決断しました。 「公の書斎」という選択 毎日通ってしまうかも?